今日は人情物の映画を見たい気分だったので、Dr.コトー診療所を見ることにしました。今まで視聴したことはなかったのですが、離島の医者ものということで、これはもう人情物だろうとあたりをつけました。
序盤にコトー先生が自転車で走る風景をみて、うんいい情景だと納得しながらコーヒーを飲みました。そしてコトー先生が難病になっていることや、診療所を去る決断をしなければならないことなど、物語はラストにカタルシスを味わうためにひたひた積みあがっていきます。
そしていざ終盤!島は嵐となり診療所は怪我人や病人がたくさん集まってきます。ここであれ?となりました。
皆診療所に入ってきて先生怪我人早く診て!!早く!とせかすのです。この診療所はドクターが2人でその二人とも他の患者にかかりきりの状態でどう見ても手が足りていないのに、ちょっと怪我したぐらいの人間が早く診て!とせかすのです。
いやそこは見ればわかるじゃないですか。序盤に島民は皆家族みたいな雰囲気を出しておいて、この利己的な光景は私が摂取したい人情成分とかけはなれており、とてももやもやしました。
まぁ島民が家族といっても本当の家族のほうが大事に決まっているので、そこはもうエゴがまるだしになってもおかしくないんですけど見たい光景ではありませんでした。
だがこの光景も次にくるシーンに比べたらまったくたいしたことはなかったのです。
コトー先生は白血病に侵されており、本来ならすぐ治療しなければならない身体なのに、無理をしたせいかその場で倒れてしまいます。
するとその場にいる島民が誰もコトー先生を起こさないんですよ。ただぼーっと見ているだけです。なんだこれ?滅茶苦茶怖い……これじゃ人情物じゃなくてホラーじゃないかと驚愕します。
コトー先生だけではなく妊娠している奥さんも無理をして倒れ彼女も誰も起こしません。もう一人の医者はだからいったんだ、全員助けるのなんて無理だと嘆きながら心臓マッサージをしていました。
そして島民の1人がコトー先生に諦めるのか!先生!と起こすわけでもなく立ちながら激励します。この激励を聞いたコトー先生は立ち上がりオペを再開しました。
私はDrコトー診療所は見たことがなかったのですが、これではまるで島民が医者を奴隷扱いしているという印象しか受けませんよ。
結局オペはうまくいって、死にたくない、生きて子供に会いたいと奥さんに嘆いていたコトー先生は無事、子供に会う事でハッピーエンドとなります。
もう一人の若い医者がこの島の医療はコトー先生の自己犠牲で成り立っているだけだみたいなことを言っていましたが、そのことに対してのアンサーはありませんでした。
Drコトー診療所は確か漫画だったと思うんですが、これは映画にするにあたり脚本家が滅茶苦茶したのか?と思うほどラストのシーンは酷かった。いやというよりおぞましいものを見せられた感じです。
逆にそういった映画がみたい気分のときならよかったかもしれません。陰湿な島の陰湿な住人がドクターをやりがい搾取しているみたいな前提があればね。
私はなるべく映画や小説のレビューは見ないようにしています。そのほうが作品を楽しめるからです。しかしながら駄作を掴む可能性が上がるのが難点であり、今回は残念でした。
これに懲りずレビューをみずに映画をみることにしましょう。