「月3万円で暮らす」と決めたとき、最初に考えたのが家賃の見直しでした。
食費や光熱費を節約するよりも、固定費を下げることが生活全体に与える影響は大きいものです。
特に家賃は、暮らしの方向性を決める大きな要素です。
この記事では、実際に家賃1万円台で暮らしている筆者が、そのリアルをお伝えします。
1|家賃が生活の9割を決める
多くの人は、月収の3割ほどを家賃に充てています。
つまり家賃を下げるということは、生活の自由度を3倍にすることと同じです。
家賃を下げると、収入が減っても焦らなくなります。 「この部屋に住むために働く」から「この暮らしを守るために働く」へ。 考え方が変わると、気持ちも少し軽くなるものです。
ただし、安い家賃にはそれなりの理由があります。
その理由を理解したうえで、うまく付き合っていくことが大切です。
2|家賃1万円台のアパートとはどんな場所か
「そんなに安い物件があるの?」とよく聞かれます。
あります。ただし条件は限られています。
- 築30年以上の木造アパート(4.5〜6畳のワンルーム)
- ユニットバス、または共同トイレ
- 駅から徒歩20分以上
- 簡易キッチン、収納少なめ
東京23区内ではかなり難しいですが、地方都市や郊外にはまだ見つかります。
私が暮らしている部屋は、家賃12,000円+共益費3,000円。
6畳のフローリングに小さなキッチンとシャワールーム。
窓からは畑が見え、夕方になると鳥の声が聞こえます。
最初は「古いな」と思いましたが、住んでみると案外落ち着きました。
3|実際に住んでみて感じた現実
壁の薄さとの付き合い方
安いアパートでは、壁の薄さは避けられません。
隣のくしゃみ、テレビの音、足音。すべてが生活の一部として聞こえます。
最初は気になって仕方ありませんでしたが、慣れてしまえばBGMのようなものです。
騒音が気になる人は耳栓やホワイトノイズアプリの使用を検討するとよいでしょう。
寒さと暑さへの対策
木造の築古アパートは、断熱が弱いです。
冬は足元から冷え、夏はサウナのようになります。
私は窓にプチプチ断熱シートを貼り、ドアの下にすきまテープを貼っています。
たったこれだけで、体感温度が2〜3度違います。
100円ショップで買えるものだけで、冬が乗り切れることに気づきました。
虫との戦いも現実の一部
築古物件では、虫との共存が日常です。
アリ、ムカデ、小さなクモ。最初は悲鳴をあげましたが、次第に平然と対応できるようになります。排水口にはストッキングをかぶせ、隙間には防虫パテ。
「完全に防ぐ」のではなく、「出ても慌てない」ことが大切です。
4|格安物件の探し方
① ネット検索を活用する
athome、ニフティ不動産などで、「家賃2万円以下」で検索します。
ただし、安い物件は人気も高く、掲載から1日で消えることも珍しくありません。
② 不動産屋に直接電話する
地方の不動産屋は、ネットに出していない物件を持っていることが多いです。
「家賃1万円台の空きありますか?」と率直に聞くだけで、思わぬ掘り出し物が出てくることもあります。
③ 個人貸し・ジモティー
ジモティーや地元の掲示板では、家主が直接貸しているケースもあります。
敷金・礼金ゼロ、即入居可など、条件が緩いことも多いです。
ただし、契約書がないケースもあるため、必ず書面で確認しましょう。
④ 公営住宅・UR・シェアハウス
公営住宅は、収入条件を満たせば家賃1〜2万円台も可能です。
URは保証人不要で更新料なし。
また、地方のシェアハウスは光熱費込みで月1万円台ということもあります。
5|安い部屋を快適にするための工夫
断熱・防音対策
- 窓にプチプチ断熱シートを貼る
- 壁際に布やカーテンを吊るす
- 床にジョイントマットを敷く
たったこれだけで、冬の寒さも軽減されます。
電気毛布や湯たんぽを併用すれば、エアコンなしでも十分暖かいです。
収納と動線
- 突っ張り棒+すのこで壁面収納を作る
- 衣類は吊るす収納で床を広く見せる
- 家具を減らして掃除をラクにする
部屋が狭い分、物を減らすと快適度が一気に上がります。
「物を減らすこと」が、実は一番の節約です。
照明の工夫
蛍光灯を昼白色LEDに変えるだけで、部屋が明るく清潔に見えます。
古い部屋でも照明ひとつで印象は変わります。
昼は自然光を取り込み、夜は電球色で穏やかに過ごす。 これだけで毎日の気分がまるで違います。
6|安さの裏にあるリスクと対処法
① 設備トラブル
築古アパートでは、水漏れやコンセントの不調などが起こりやすいです。
しかし、焦らなくても大丈夫です。
パッキン交換、排水掃除、コンセントの清掃など、ホームセンターとYouTubeがあれば解決できます。
自分で直す力をつけると、生活に自信が生まれます。
② 契約内容の確認
「家賃1万円」とあっても、共益費・水道代・プロパンガス代を含めると実質3万円になることもあります。
更新料の有無も確認しましょう。
安いからと飛びつかず、トータルコストで判断することが大切です。
③ 隣人との距離感
私はこれまで家賃1万円台のアパートに計5回住んでいますが、そのうち3回は静かな環境で、2回は騒音が友人といえるほどの環境でした。隣人ガチャは運しだいといえるので、外れを引いた場合素早く撤退することをお勧めします。
7|まとめ:住めば都は正しい
家賃1万円台のアパートで暮らしてみて思うことは「意外に暮らせる」です。住めば都という言葉を意訳するとなんでもそのうち慣れるよという意味ですが、この言葉は正鵠を射ており、自分が思うよりも早いタイミングで適応します。
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この記事を書いた人:チャーチル(40代独身・地方在住/月3万円生活継続中)