国民年金免除の手続きと注意点|収入が少ない人の現実的対処法

月3万円で暮らす

失業、病気、非正規雇用、そして物価上昇。月3万円で暮らすような生活をしていると、年金保険料の17,510円(2025年度)はあまりにも重く感じます。払わなければ将来の年金が減るとわかっていても、今を生きるだけで精一杯というのが現実です。

しかし、国民年金には「免除制度」があります。これは「支払う力がない人を救済するための仕組み」であって、怠けや逃げではありません。この記事では、私自身の経験も交えながら、国民年金の免除手続きと注意点を、現実的な視点からわかりやすく解説します。


1|免除制度の種類と対象者

まず知っておきたいのは、国民年金免除制度には次の4種類の免除があります。 各免除には「前年所得(本人・配偶者・世帯主のすべて)」が一定額以下であることが条件になっています。 年金機構中央区役所 公式サイト

種類免除額所得基準(めやす)対象となる例
全額免除100%免除本人・配偶者・世帯主それぞれの前年所得が (扶養親族等+1)×¥350,000 + ¥320,000 以下。 坂戸市公式サイト
例:扶養親族なしなら(0+1)×35万円+32万円=¥380,000以下
収入がほとんどない、失業中、生活困窮者など
4分の3免除75%免除本人・配偶者・世帯主それぞれの前年所得が ¥880,000 + 各控除額 以下。 蒲郡市公式サイト所得が少しあるが、支払いが難しい人
半額免除50%免除本人・配偶者・世帯主それぞれの前年所得が ¥1,280,000 + 各控除額 以下。 印西市公式ウェブサイト年収120〜130万円前後の非正規・一人暮らしなど
4分の1免除25%免除本人・配偶者・世帯主それぞれの前年所得が ¥1,680,000 + 各控除額 以下。 蒲郡市公式サイト所得はもう少しあるが、年金支払いが厳しい人

また、50歳未満の方で「学生」「失業中」など“支払いが難しい一時的な状況”にある方には、納付猶予制度という別の制度があります。 この制度では前述の「(扶養親族等+1)×¥350,000+¥320,000」までが目安となっています。 蒲郡市公式サイト


補足解説

  • 所得基準には「扶養親族等控除額」「社会保険料控除額」などが加算されるため、単純に“年収〇〇万円以下”とは言い切れません。
  • 免除・猶予の対象になるためには「本人」「配偶者」「世帯主」のそれぞれが所得基準を満たす必要があります。 city-yanai.jp
  • なお、制度を利用しないまま未納にしていると、将来の受給資格(10年以上の加入)や受給額に影響を及ぼします。制度を知って“申請すること”が大切です。 千葉市公式ウェブサイト

2|免除申請の手続き方法

手続きは市区町村役場の国民年金窓口で行います。申請時に必要なものは以下のとおりです。

  • 年金手帳または基礎年金番号通知書
  • 印鑑(認印でOK)
  • 本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証など)
  • 所得証明書または課税(非課税)証明書
  • 離職票または雇用保険受給資格者証(失業中の場合)

手続き自体は15分ほどで終わります。申請期間は毎年7月〜翌年6月までが対象年度。たとえば2025年度分を申請したい場合は、2025年7月〜2026年6月に申請します。

2|免除申請の手続き方法(実際の流れと会話例)

国民年金の免除申請は、お住まいの市区町村役場または年金事務所で行います。郵送でも可能ですが、初めての場合は窓口での相談がおすすめです。担当者が丁寧に教えてくれます。

必要な持ち物

  • 本人確認書類(マイナンバーカードまたは運転免許証)
  • 基礎年金番号通知書または年金手帳
  • 印鑑(認印でOK)
  • 前年の所得がわかる書類(課税・非課税証明書)
  • 離職票または雇用保険受給資格者証(失業中の場合)
  • 配偶者・世帯主の所得証明書(同居の場合)

免除の申請期間は毎年7月〜翌年6月です。たとえば「2025年度分の免除申請」をしたい場合、2025年7月〜2026年6月の間に手続きすればOKです。


実際の窓口での流れ

1. 受付で「国民年金の免除申請をしたいのですが」と伝えます。
すると申請書と記入例を渡されます。

2. 申請書には、氏名・住所・年金番号などの基本情報を記入。
「失業中」や「収入が少ない」などの状況を簡潔に書きます。

3. 担当職員が書類を確認し、「前年の所得」「世帯主・配偶者の状況」を確認します。

窓口での会話例:

職員「昨年の収入はいくらぐらいでしたか?」
あなた「アルバイトで80万円くらいでした。いまは失業中です。」
職員「それでしたら、全額免除または4分の3免除の対象になるかもしれません。離職票をお持ちですか?」
あなた「はい、こちらです。」
職員「ありがとうございます。失業特例を適用できますね。こちらにサインをお願いします。」

このように、担当者が丁寧に案内してくれます。役所というと緊張するかもしれませんが、困っている人を支援するための制度なので遠慮せずに相談して大丈夫です。


申請後の流れ

  • 審査には1〜2か月ほどかかります。
  • 結果は「国民年金保険料免除・納付猶予申請承認通知書」として郵送で届きます。
  • 免除が承認されると、対象期間の保険料支払いが自動的に停止されます。
  • もし却下された場合は、異議申し立てや再申請も可能です。

また、失業中の方は「失業特例」を忘れずに申請してください。前年の所得が高くても、離職票の提出で所得ゼロ扱いにしてもらえるため、全額免除の対象になることが多いです。


ワンポイント:郵送で申請する場合

役所が遠い場合や外出が難しい場合は、郵送でも手続き可能です。
年金事務所のホームページから「国民年金保険料免除申請書」をダウンロードし、必要書類を添付して送付します。

送付先は、お住まいを管轄する年金事務所です。
ただし、初回は記入ミスが起きやすいので、できれば電話で確認してから郵送しましょう。


3|申請を通すためのポイント

免除の可否は前年所得で判断されます。つまり「今が無職でも、昨年の収入が高いと免除されない」ことがあるのです。

その場合でも、失業特例を使えば救済される可能性があります。失業した人は、前年所得を「ゼロ」とみなして審査してもらえるので、雇用保険受給資格者証や離職票のコピーを添付することを忘れずに。

役場の窓口では、こちらから「失業特例を希望します」と伝えるとスムーズです。


4|免除後の注意点

免除を受けても、将来の年金が全額もらえるわけではありません。免除された期間は1/2が年金額に反映されます。
(例:全額免除1年=納付1年の半分として計算)

つまり、免除期間が長くなるほど将来の受給額は少なくなります。しかし、何も申請せず「未納」にすると、その期間はゼロ扱いになり、受給資格(10年)にもカウントされません。

免除は“支払えない人のための一時的な橋”。制度を使えば将来の年金資格は守られます。


5|追納制度を使えば損しない

免除を受けた後、10年以内であれば追納することができます。経済的に余裕ができたときに追納すれば、将来の年金額を満額に戻せます。

ただし、3年を超えると追納時に加算金(延滞金のようなもの)が発生します。追納するなら、できるだけ早い段階で。「とりあえず免除 → 余裕が出たら追納」が、現実的かつ賢い選択です。


6|免除を受けながら老後に備える

免除しても将来が不安……という方は、iDeCo(個人型確定拠出年金)小規模企業共済などの低コスト積立を併用するのも選択肢です。毎月5,000円でも積み立てれば、税金控除を受けつつ老後の不安を少しずつ減らせます。

国民年金免除=諦めではありません。「制度を知り、使いながら、自分の老後を設計していく」ことが大切です。


7|まとめ:制度を知れば“安心して貧乏”になれる

国民年金の免除は、困っている人を守るための制度です。誰にでも「払えない時期」はあります。恥ずかしいことではなく、制度を活用する知恵です。

手続きをすれば、未納で将来の受給資格を失うリスクを防げます。役所で相談しても、職員の方は冷たくありません。むしろ丁寧に教えてくれます。

お金がないときこそ、正しい情報を得て生活を守るよう行動していくことが大事です。

この記事を書いた人:チャーチル(40代独身・地方在住/月3万円生活継続中)

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