ファミレスで元婚約者と話してきました。彼女は何を話したいのだろうと出かける前に考えましたが、一向に分かりません。
結婚がご破算になったのに付き合いだけ継続したいと彼女がいいだすとはとても思えませんでいた。そんな甘い人ではなかった。
考えても分からないことは考えないほうがいいという言葉があるので、思考を止めました。スーツに汚れはないだろうか、ひげにそり残しはないだろうか。
身支度を完璧にして出かけます。
約束したファミレスに行くと彼女はすでにいました。仕事がうまくいっていれば生涯を供にした相手だと思うと不思議な感覚に襲われます。
コーヒーを頼んだあとお互い近況を報告しました。彼女は仕事が順調なようです。私は日雇いの仕事を最大限修飾し彼女に一応働いていると伝えました。嘘をつかない範囲で見栄を張るのは重要です。
近況を報告し終わった後、しばし無言になりました。無言になるのは必然であり、なにせ話すことなど本来もうないのです。
私は思い切って何か言いたいことがあるのでは?というと、彼女は意外なことをいいました。塾を見たいというのです。
私は閉塾処理が終わり何もみるべきものはないといっても、いやそれでも見たいといいました。
私はコーヒーを飲みながら考えました。何故塾を見たいというのだろう?私が塾を経営してきたことが嘘だと今にして思ったのだろうか?
色々考えましたがどれもしっくりきませんでした。しかしながら彼女にとっては重要なことなのだろうと思い、塾に行くことを了承しました。
会計をする際、もう他人だから(割り勘で)と言われました。