家に帰ってから考えました。
ラインのやりとりは私からみても浮気をしていると確信できるものでした。文面からすると、会社の部下。しかしながら肉体関係が100%あるとはいえない。現実的にはあるだろうがないということもできる。
姉の思考はなぜかおぼこのようなところがあるため、肉体関係があるなら100%修復は不可能だろう。もし離婚を阻止するならば、なんとか肉体関係はなかったという結論にもっていかなければならない。
姉が不倫を確信し、義兄が否定して離婚に応じない場合どうなるか?
もし別れることになったとしても姉に有利な条件で離婚を成立させなければならない。となると決定的な不倫の証拠を掴む必要があります。
私は姉に興信所を使うことを薦めましたが、首を縦にふりませんでした。そのくらいのお金はあるだろうというと、お金じゃなくて興信所に頼むのは気が進まないとのことでした。
姉は断るだろうと思って提案したので、次にそれでは私が義兄の不倫の証拠を掴むために私が後をつけると提案しました。
姉は驚いていましたが、私はすぐにたたみかけます。離婚するにしてもそうでないにしろ、不倫の事実を確定させてからじゃないと、次の段階にはいけない。そうでしょ?尾行して不倫の事実がなかったらそれにこしたことはないしと言いました。
姉はそれでも渋っていましたが、最終的に了承しました。これで選択肢が増えたことになります。
興信所なり弁護士なりのフェーズに行く前にやれることがあるはず。
私はまずカメラをどうしようか考えました。決定的な証拠といえばラブホに入る瞬間です。検索してみるとスマホの撮影はExifデータ(撮影日時・GPS情報)が残るので証拠として有効になりやすいということ。
私はさして外見に特徴がある男ではないが、義兄が会社前で私を見たら声をかけてくるでしょうし、不倫相手と一緒ならば警戒するでしょう。
変装する必要があるだろうということで、前に塾の余興ときに買ったカツラとグラサンをつけることにしました。
以前この変装で外にいたメイちゃんにおねーさん!と声をかけたときに、ビクッ!としてなんでしょうか……と警戒されました。義兄にも私だとばれないでしょう。
会社帰りの義兄と何度か飲んだことがあるため、オフィス周りの土地勘はありました。しかしながらずっとビルの入口近くで見張るというのは不審者扱いされます。
不倫といっても毎日、仕事終わったからホテルいこっか!っとズコバコするわけでもないでしょう。タクシーに乗られたら尾行はできないですし、そもそも学生カップルのような一緒に帰るのだろうか?いやさすがにしないだろうな……どこかで待ち合わせをしてからホテルに行くというのが一般的だろうか?不倫はしたことはないから分かりません。
これは長期戦になるな……と覚悟しました。しかし私には圧倒的なアドバンテージがある。無職だということです。時間は有り余っています。
メイちゃんやレイちゃんへの直接的な協力要請は、さすがに父の不倫の証拠を掴むのはドギツイと思ったので証拠固めは一人でやることにしました。
とはいえラブホテルに入る二人の顔をピンポイントで撮影するのはいうほど簡単ではありません。
そこで事前の練習としてメイちゃんとレイちゃんに適当に街をうろついてもらって、彼女たちを撮影しました。
感想としては思ったよりもかなり難しい……撮影をしている自分が他人からみたら不審者以外の何物でもない自信がある。それに夜は暗くなるので条件が悪くなるうえに、一発勝負でリテイクはありません。探偵という仕事に敬意が出てきました。
途中、女性が二人に対して、あの人たぶんあなた方のこと盗撮しているけど警察呼ぼうか?と提案したそうです。レイちゃんはありがとうございます!でも知り合いの無職ですから大丈夫ですと答えたそうで、その時のことを話しながらレイちゃんは死ぬかと思うくらい笑っていました。
写真よりも動画のほうがスムーズに撮れそうなので動画にすることに。自転車で義兄の職場までいき入口付近で見張る。どこかで女性と待ち合わせした場合、そのまま尾行してラブホテルで決定的な証拠を撮る……素人探偵の日々が始まりました。
離婚を前にして動く無職
姉一家


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