姪に恋愛相談をする無職

先日、姉の家に行ったところ、孤独死の話題になり、そのことでレイちゃんと話していた時に、自分は山奥で朽ち果てるだろうから、その時は山小屋に残っている財産目録を見てメイちゃんと二人で分けてほしいといいました。

それじゃいまからいっぱい貯めておいてねと言われると思いきや、レイちゃんは少し黙った後「ちょっと来て」と言いました。言われるがまま2階にいくと占い部屋が誕生していました。

レイが二階の物置を片付けてセカンドルームにしたと姉がいっていましたからこれかと思いました。

学校で将来の職業について友人たちと語り合った結果、占い師もいいかもと思うようになり、まずは形から入ることにしたそうです。

占い部屋で待たされて、入ってきたレイちゃんは占い師のような服装をしていました。形から入ることを徹底しているなと思いました。

今回は初回ということでサービスで無料にしておきますといわれました。

そして何か儀式のようなものを始めました。お香が煙たくて少しむせますがいい匂いでした。タロットカードを扱う所作はそれなりにみえたので、少し見直します。

そしてレイちゃんが「あなたの悩みは恋愛ですね」と言いました。

違いますというのもなんなのではいそうですと答えました。そしてタロットカードの説明、正位置とか逆位置とか何かいろいろいっていました。

「あなたは女性との付き合いがいつも長く続かないことを嘆いている……違いますか?」

と言われたのでまぁそうかもしれませんと答えました。まぁこれは前に雑談で言ったような記憶があるので、占い師しているなぁと思いました。

「あなたはその答えを自分がケチで貧乏で低収入だからだという結論にして納得している……違いますか?」

と言われたときは少しドキッとしました。ただまぁ貧乏トークはよくするので、想定の範囲内です。私ははいそうですと答えました。

「はい……実はそれはまったくの虚構なんです。あなたは自分が一番心が安定する結論を、ロジックで導き出したかのように自己洗脳しているだけなんです。」

私はいやいやだって実際それで振られているし、そりゃなんかそれ以外でも嫌われることやってたんだろうけど……そもそも安心するってどういうことだと、遊びのままごと占いに付き合っていたつもりなのに、真面目に反論していました。

すると目をつぶったレイちゃんはカードを指していいました。

「カードが示す意味は本来の気持ちを隠しているです。本心を偽っているというより、無意識に自分を隠している状態です。」

私はそれじゃ何隠しているの?本当わからんのだけど言いました。

「はいこれもカードに出ています。女性不信……かなりの重度ですね。後タメ口はやめてください。」

タメ口はだめみたいなので敬語にします。いやいや自分は普段よく話すのは姉と姪と教え子くらいで全員女性だから、女性不信とかないですと答えました。

「その人達は恋愛対象ですか?」

いや血縁者と教え子なので違いますと答えました。

「この場合の女性の対象は潜在的に恋愛対象になっている相手のことを指しているので、単純な性別のことではないです。」

まぁそうかと思いました。

「あなたが女性との付き合いが長く続かないのはあなたの女性不信が原因です」

断言されたので反論しました。仮に僕が女性不信だとしてですよ?それが原因で相手を振るなら分かりますが、いつも振られるのだから、長く付き合えなかった理由にはならないですよね?と質問しました。一人称が僕になってしまいました。レイちゃんは首を振ります。

「それでは聞きますが、歴代の彼女たちに振られたときに悲しかったですか?追いラインみたいなことをして未練がましく復縁を迫りましたか?むしろほっとしていたのでは?」

と言われたときに確かに振られた後、何かやり取りをすることはないことに気付きました。

レイちゃんがベールを外しました。

「はいそれじゃここからはあなたのもっとも親しい友人として話しましょう。あなたは付き合ってた女性の一人に振られた原因が飲食代を奢らなかったから幻滅されたんだろうと以前話してましたよね」

はい話しましたと答えました。

「何故奢らなかったんですか?」

何故っていわれても、自分で食べたものくらい自分で払うのが筋だろと思ったからですと言いました。

「でも付き合い始めるまでは奢っているとも話してましたよね?それはなぜですか?」

自分の信念を曲げてでもセックスがしたいからですとは姪にいえず、私は黙ってしまいました。

「いいでしょう。男性は釣った魚にミミズをあげないといいますから。でもねそこは些細なことなんです」

どういうことですか?と聞くと

「割り勘をするにしても、クーポン券をあえて見せつけるように使ったり、店員さんの前で小銭を要求したり、これって嫌われるためにやっていますよね」

そんなことはないですというと

「あのさ、自分はケチだからそういうことを自然にやる人間って思い込んでるだけだよ。結果的に割り勘にするにしろもっと相手に恥かかさずにスムーズにできるわけじゃん。でもそういうこと一切しないのはなんで?答えは天然ぶってるだけで計算でやってるから。」

するといきなりタメ口になりました。

「はっきりいうと付き合うのが億劫になってるけど、自分から振ると面倒くさいし悪役になるから、振られるような言動を繰り返して相手に交際解消の責任を押し付けているだけだから。」

これはずいぶん辛辣だと思いました。

「あのさぁ孤独死とか結婚できないとかいうけど、まだできることあるよ。女の子は怖くないよ?最初から変な先入観があるから付き合うのが面倒臭くなっちゃってテキトーになるんだよ。もう少し相手のいいところを探してみたら?」

これを受けて少し考えました。うーむそうなのだろうか。私は女性不信なのだろうか。

「それでは初回はこれで終わります」

厳かな雰囲気で占いは終了しました。次回は親族割引で1,000円だそうです。



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姉一家

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